茶碗を持つ手(『人と私を結ぶ物』より)

ボリス・レーマン監督
レトロスペクティブ

日程:2026年11月13日(金)〜11月21日(土)
会場:出町座 / アテネ・フランセ文化センター
シアター・イメージフォーラム / 独角放送室

ベルギーの伝説的映画監督ボリス・レーマンが、御年82歳にして初来日。これに伴い、京都・東京の4会場でレーマン監督をお招きし上映会を実施。レーマン監督が手がけた600本超の作品の中から厳選した作品を上映します。

カメラを持つ若き日のボリス・レーマンの写真

君の映画は映画詩の宝だ。
ありがとう、ボリス!
―ジョナス・メカス

路上の「ARRIVÉE」の文字に伏すボリス・レーマン(『私の七つの場所』より)

主催:シエラアスール
共催:大阪大学大学院人文学研究科芸術学専攻
アート・メディア論コース(招聘・学術協力)
協力:ベルギー王立シネマテーク
シネマテーク・ド・トゥールーズ
イタリア国立ホームムービー・アーカイブ
ジャスティン・マッケンジー・ピアーズ

BORIS LEHMAN BORIS LEHMAN

ベルギーの伝説的映画監督、御年82にして初来日

JAPAN TOUR 2026

日程:2026年11月13日(金)〜11月21日(土)
会場:出町座 / アテネ・フランセ文化センター / シアター・イメージフォーラム / 独角放送室

シャンタル・アケルマンの古い友人であり、『ジャンヌ・ディエルマン』の撮影現場にスチールカメラマンとして参加したレーマン監督は、以降、商業映画とは一線を画し、50年間独自の映画を制作し続けました。その600本超の作品から厳選した9作品を、京都・東京の4会場で上映。監督本人が各会場を巡回し、上映にあわせてトークを行います。

ボリス、君の映画『私の七つの場所』は素晴らしい、素晴らしい! そう、人生と映画の驚異に満ちている。僕たちはふたりとも、自分自身のこと、自分の人生、友人たちの人生を映画にしている――でも、なんと驚くほど違うやり方で! 君が目を向けるのは、僕たちが普段まったく気にも留めないもの――ドアの鍵、果物屋に届く段ボール箱、古びてすり切れた靴、ジャケットを一枚買うこと、税金の煩わしい手続き……そういったものへの君の瞑想に、僕はすっかり心を奪われた。そして、閉館していく映画館、引き払われていくアパート、旧友との再会、公園で忘れられた孤独なベンチに寄り添うこと――それらはすべて、人生の詩だ。過ぎ去った日々の、生きられた時間の詩。そしてそのすべてが、人生への愛と映画への愛によって作られている。昨日君がくれた五時間は、稀有で、特別な映画の時間だった。大切にしたい。君の映画は映画詩の宝だ。ありがとう、ボリス!

――ジョナス・メカス(『私の七つの場所』に寄せて)

お知らせNEWS

上映会場とスケジュールSCREENINGS & TALKS

1
京都
出町座
上映期間11.13(金)〜11.19(木)
監督来場・トーク11.13(金)
2
東京・御茶ノ水
アテネ・フランセ文化センター
上映期間11.17(火)〜11.19(木)
監督来場・トーク11.17(火)〜19(木)
3
東京・渋谷
シアター・イメージフォーラム
上映日11.20(金)
監督来場・トーク11.20(金)
4
東京・荒川
独角放送室
上映日11.21(土)
監督来場・トーク11.21(土)

*各会場の上映作品・時間・料金は、会場詳細および各会場のウェブサイトでご確認ください。

企画概要INTRODUCTION

ベルギーの伝説的映画監督ボリス・レーマンが、御年82にして初来日します。1960年代から半世紀以上にわたってカメラを回し続け、スーパー8、16ミリ、ビデオで多数の作品を生み出してきたレーマン監督は、自らの日常や友人たちとの出会いを撮り、そして撮られることで、「人生を映画に、映画を人生に」変えてきた作家です。

本特集では、ブリュッセルの街と人々を記録した初期の大作『マグヌム・ベギナジウム・ブリュクセレンセ』から、自伝的連作『バベル』の代表作『私の七つの場所』、自らの葬儀を演じる最終章『葬儀』まで、厳選した9作品を京都・東京の4会場で上映。監督本人が各会場を巡り、上映にあわせてトークを行います。日本ではほとんど紹介されてこなかった、その豊かな映画世界に触れるまたとない機会です。

監督プロフィールPROFILE

カメラを構えるボリス・レーマン

ボリス・レーマンBoris Lehman

1944年スイス・ローザンヌ生まれ、ベルギーの実験映画作家。ピアノを学んだのち写真と映画に惹かれ、ブリュッセルの国立高等芸術学院で映画を学ぶ。映画批評を書くかたわら、1965年から83年まで精神障害者のデイケアセンターに勤務し、患者たちとの映画制作を通じてシネマを治療の道具として用いた。シャンタル・アケルマン、アンリ・ストルクらの作品に助手・俳優として参加。約600本の映像作品を制作し、60万枚の写真を撮影している。ジョナス・メカスと同様に映画を日常に根ざした芸術として捉え、1983年から2021年にかけて全9部・総尺25〜30時間の自伝的連作『バベル』を制作。一度きりの上映のために編集された作品も多い。

上映作品FILMS

全9作品/日本語字幕付き(独角放送室のみ英字幕)
『交響曲』より
12

交響曲

Symphonie
1979年|35分|デジタル

閉所恐怖症を患ったユダヤ人の男が、アパートの一室で大戦時の潜伏生活を再現する。12歳という役柄ながら、その語りには37年前の実体験と今が色濃く反映される。精神障害者デイケアセンターの活動「クラブ・アントナン・アルトー」から生まれた作品で、セルジュ・ダネーによってカイエ週間に選出された一本。

『鯉のように押し黙る』より、浴槽の鯉
12

鯉のように押し黙る

Muet comme une carpe
1987年|38分|デジタル

鯉が水揚げされ、伝統料理ゲフィルテ・フィッシュとして食卓に並ぶまでの旅路を追った作品。現代のユダヤ人を巡る様々なイメージが交差する。

『人と私を結ぶ物』より
12

人と私を結ぶ物

Choses qui me rattachent aux êtres
2010年|15分|デジタル

カメラを向けられたボリスがあらゆる物の名前と元の所有者を述べていく。ジャック・プレヴェールや清少納言の『枕草子』に触発されて撮られ、人の生の厚みを見事に表現した短編。

『マグヌム・ベギナジウム・ブリュクセレンセ』より、ベギン会地区の街並み
2

マグヌム・ベギナジウム・ブリュクセレンセ

Magnum Begynasium Bruxellense
1978年|149分|デジタル

ブリュッセルのベギン会地区を舞台に、約150人の住民の日常を夜明けから深夜まで追った大作。三十あまりの断章がパズルのように組み合わさる百科事典的な構造のなかで、消えゆく街と、人々のささやかな身振りが淡々と記録されていく。
「私たちの記憶のようなものだ」――シャンタル・アケルマン

『髪の物語(シベリア)』より
12

髪の物語(シベリア)

Une histoire de cheveux (Sibérie)
2020年|83分|デジタル

『Histoire de mes cheveux』(2010)の続編。強制収容所からの「架空の脱走」によって幕を開ける、私的かつ壮大なロードムービー。シベリアの広大な雪景色の中を自らのルーツを求めて彷徨い、ユダヤ人自治州ビロビジャンへと辿り着く。日記映画のひとつの到達点。

『アルバム1』より
2

アルバム1

Album 1
1974年|60分|デジタル

1974年、既にプロの映画作家であったボリスは、スーパー8の映画祭からの依頼を受け、規定でアマチュアに禁じられていたホームムービーをあえて撮影する。「自分が撮り、そして自分が撮られる」という、ボリス独自の対話と交換の手法が生まれた作品であり、当時から物への目配りといった芸術的探求が見てとれる。上映は生演奏・朗読付き。

『私の七つの場所』より
2

私の七つの場所

Mes sept lieux
2014年|315分|デジタル

九部作『バベル』の第四章であり、代表作。1999年から2010年にわたり、住居を転々とするボリスの、移動距離30万キロにおよぶ旅が、ドキュメンタリーの断片、日記、覚書、フィクションの切れ端で編まれていくモザイク状の自伝的大作。「ただ単に存在しようとする試み」(ボリス)が結実した、人生そのものと呼ぶべき映画。

『葬儀(死の技法について)』より、野を行く葬列
13

葬儀(死の技法について)

Funérailles (de l'art de mourir)
2016年|97分|デジタル

1983年から続いてきた連作『バベル』の最終章であり、自らの死と映画の終わりを壮大なユーモアと愛を込めて演じ切る自伝的試み。棺選びや遺品の焼却、友人たちと行進する陽気な葬列や埋葬の儀式を通じて、多数の映画を制作してきた自らのシネマを全うしていく。「存在すること」から「消滅すること(不可視)」へ、死すらも対話と戯れの舞台へと昇華させながら、自らを永遠のノマドへと解放した壮絶なる遺言的一本。

『アはアドリアンヌのア』より
4

アはアドリアンヌのア

A comme Adrienne
2000年|115分|デジタル

イランで14年間暮らし、ペルシアの民話を集めて翻訳してきた77歳の女性アドリアンヌに贈る、愛に満ちたポートレート。「自分が撮り、自分が撮られる」というボリス独自の視点はそのままに、水泳、運転、料理、縫製、そして映画撮影といった7つの「レッスン」と寄り道を軽やかに重ね合わせていく。彼女の生き様そのものがペルシアの童話のように響き合い、伝統的な語りと映画という記憶の継承が見事に交差する、温かい幸福感にあふれる一作。

(英字幕)

ゲストGUESTS

13日、17日〜21日
グザビエ・ガルシア・バードン
映画研究者・キュレーター
18日
Tomoyoshi Date
医師・音楽家/生演奏
19日〜20日
太田光海
文化人類学者・映画監督
問い合わせ先
シエラアスール
cierraezul.com
mail@cierraezul.com
Instagram @cierraezul

会場・スケジュールVENUES & SCHEDULE

1
京都

出町座

上映期間
11.13(金)〜11.19(木)
監督トーク
11月13日(金)
上映作品
5作品(作品欄の番号1)
料金
  • 一般2,000円
  • シニア1,400円
  • U25・手帳割1,000円
  • 会員1,200円
京都府京都市上京区三芳町133
TEL.075-203-9862
demachiza.com
2
東京・御茶ノ水

アテネ・フランセ文化センター

上映期間
11.17(火)〜11.19(木)
監督トーク
11月17日(火)〜19日(木)
上映作品
7作品(作品欄の番号2)
18日『アルバム1』は生演奏・朗読付き
料金
  • 一般1,500円
  • シニア・学生・障がい者1,200円
  • 会員1,000円
東京都千代田区神田駿河台2-11
TEL.03-3291-4339
athenee.net/culturalcenter
3
東京・渋谷

シアター・イメージフォーラム

上映日
11.20(金)
監督トーク
11月20日(金)
上映作品
『葬儀(死の技法について)』
料金
  • 一般1,900円
  • シニア・学生1,300円
  • 障がい者1,400円
  • 会員1,300円
東京都渋谷区渋谷2-10-2
TEL.03-5766-0114
imageforum.co.jp/theatre
4
東京・荒川

独角放送室

上映日
11.21(土)
監督トーク
11月21日(土)
上映作品
『アはアドリアンヌのア』(英字幕)
料金
ワンドリンク制
東京都荒川区西尾久2-4-18 エイビル2F
Instagram @unicorn_image__